謹賀新年 冬季の飼育状況について1

明けまして おめでとうございます。

HPを更新しようとしている時に、新年早々震度7の地震が発生しました。まだ、被害情報も全く分からない状況で心配です。東日本大震災の際、北海道浜中町の霧多布湿原センターに勤務しており、津波から非難してきた方を受け入れる立場でしたので、その晩、みなさんがとても不安な夜を過ごされていたことを思い出しました。被害が少ないことを祈るばかりです。

久々のHPの更新になります。現在トウキョウトガリネズミ3頭、オオアシトガリネズミ2頭、ヒメトガリネズミ1頭の計6頭を飼育しています。2週間程前までは、エゾトガリネズミ1頭も飼育していたのですが、寒さが急に厳しくなり最低気温がー12℃~13℃の日が数日続いた日に死亡してしました。気温が原因なのかは不明ですが、これから少しの間、冬の寒さの中で生きている飼育下のトガリネズミの行動について紹介していきたいと思います。

まず、現在の飼育方法ですが、外気温より1~2℃高い小屋の中で飼育し、何れの種の飼育ケースにも雪は入れておらず、ウサギなどの小型動物用の床材として市販されている木製チップで7~8cm程度敷き詰め、その上に牧草を同程度入れた状態に飼育しています。夏よりは2倍程度増しの状態で、床材などを入れていますので、個体がどこにいるのか確認するのが大変です。すなわち、生存確認をするのに時間がかかるというのが、冬場の飼育で手がかかる作業の一つです。

 

本日素直に顔を見せてくれてトウキョウトガリネズミ

展示を楽しんでもらうためのヒント(オオアシトガリネズミ編)

飼育していると個体の個性が出ます。展示しているオオアシトガリネズミは、流木の下がとてもの好きなようです。飼育ケージの中に入れてある流木は、かなり外からも見えるような構造になっていますが、本人にはあまり周囲から見られているという認識がないようです。寝ている姿や毛繕いなどリラックスしている行動が見る事ができます。

オオアシトガリネズミの多くは、飼育ケージ内にある草を丸めて巣を作り、そこを主に利用する個体が多いですが、今回草が少なめになっていることもあり、流木の下を主に使っているのかもしれません。しかし、多くの個体は、草が少なくても草を集めてボール状の巣を作りますので、展示している個体は他の個体よりも流木の下を好んでいるように見えます。

私は、オオアシトガリネズミの行動は見ていると、ちょっとドジなやつだけど、憎めない可愛いやつと感じてほのぼのとします。みなさんはどのように感じますでしょうか。今回、オオアシトガリネズミの行動は展示している4種の中でも良くみることができますので、少し長めに見てもらえればと思います。

展示個体のオオアシトガリネズミは、流木の下がお気に入りで、寝ている姿やくつろいでいる姿を見る事ができます。

冬の飼育下のトガリネズミ ~禿げる(脱毛)その2~

現在飼育しているオオアシトガリネズミにも禿げ(脱毛)始めた個体がでてきました。禿げ始める場所は、個体によって変わりますが、お尻から禿げてくる個体が多い気がします(過去の記録をすべて確認したわけではないので・・・)。

この個体は、一見すると禿げて無いように見えるのですが、見る角度や体を伸ばした状態にすると目立ようになってきました。体毛の下は、きれいなピンク色です。肌は荒れていませんし、脱毛部分が特に赤くなっているわけではありません。原因は、日照不足か、栄養不足なのか、ストレスなのかははっきりしません。

一見禿げて居るようには見えませんが・・・

 

後ろからみると・・・

 

横からみると・・・

やはり、禿げ始めています。かわいそう・・・。

おかげ様で、ダーウィンが来た!「世界最小のミクロ珍獣北海道で虫とバトル」高視聴率だったそうです!と補足です

昨日放映された ダーウィンが来た!「世界最小のミクロ珍獣北海道で虫とバトル」は、おかげさまで高視聴率だったと関係者の方から教えていただきました。多くの方に見ていただけてうれしいです。                 (その時間帯のトップだったとお聞きしました!!)

そこで、番組では伝えきれなかった内容を少しの間、補足していきたいと思います。番組を見ていただいた方はあのシーンの意味を、見ていなくても興味がある方はこのHPの動画ギャラリーなどを見てさらに興味を持っていただければとおもいます。

番組では、草の上を移動するシーンが普通のような感じで映像で流れていましたが、草の上を移動する行動をすることを発見できなかったら、あのような映像を撮ることは出来ませんでした。

2002年以降トウキョウトガリネズミを確実に捕獲出来る場所を見つけたことから、トウキョウトガリネズミの飼育が可能になりました。2回目に捕獲した時に、どこまで土に潜るのかと考え、捕獲した場所から10cmの深さで10cm×40cm程度の土を切り取り、ケースに入れ、その中にトウキョウトガリネズミを放しました。そこで、土に潜るのかと思いきや、なんと草の上に登ったのです。モグラの仲間なので、地中や物の隙間などの利用が主かと思っていたのですが、何と空間利用する時間が結構長いことも判ってきました。

トウキョウトガリネズミの大きさは、実物を見ていないと相当小さいという認識が十分ではありません。その小ささと行動の速さから、野外では草のなどの影にいれば撮影はできません。しかし、草の上のようなオープンなところを移動することが判ったことから、狙って撮影ができるようになったのです。北海道に生息している他の3種のトガリネズミも草に登ることは最近確認されたのですが。トウキョウトガリネズミは他種と比べると利用量が格段に大きいのです。

地上だけを移動する動物だったら、あの移動の速さから言って今回のような番組は製作できませんでした。

 

オオアシトガリネズミ 見られていたら恥ずかしい? 2

前回は仰向けになってなかなか起き上がれない映像でしたが、白黒でわかりづらい映像でしたので、今回は明るい時撮影された映像です。仰向けにはなっていませんが、仰向けになる状態は今回の映像よりさらに勢いよく落ちる時になります。このように失敗するのは1割程度ですが、仰向けになるのはやはり希です。

穴の底からの高さは、3cm程度しかありません。オオアシトガリネズミは、深さ15cm程度の墜落函から時々脱出することがあります。墜落函の壁面に爪が引っかかるためだと考えられますが、使用している墜落函の構造上、必死にジャンプしているときは3cm以上は飛んでいると思われます。

穴に入るのは、管の出っ張り具合や素材などに加え、軽くジャンプするには微妙な高さなのかもしれません。1.5から2cm程度の踏み台になるようなものを置くだけで、失敗は見られなくなります。

オオアシトガリネズミの行動 飼育下 1

今日は、オオアシトガリネズミの行動です。飼育小屋を作る前に2階のベランダでオオアシトガリネズミを飼育していた時の映像です。衣装ケースを3つつないで通常より広い環境で飼育しています。撮影場所には、餌と水が置いてあり、運動用に木が立ててあります。他の2つはチップと草が10cm程度の高さで入れてあります。この場所には、カメラが3台設置してあり、3つのケース間移動状況を記録していたときのものです。

この映像は、餌替えと共に自動撮影装置の交換した1時間後の映像です。この飼育ケースに写して1週間以上経過していますので、この構造には馴れています。行動が活発な時間帯でもありますので、水を飲み、設置した枝にも登り、飛び降りたりして、とても活発に行動しているのが判ります。広い空間で飼育していると本来はとても活発に行動している動物であることが判ります。

 

嶮暮帰島の生態系のイメージ

嶮暮帰島の生態家のイメージ(絵は、(株)野生生物総合研究所の森田さんによるものです)

東日本大震災から10年目ということで、嶮暮帰島について思いつくことを書いてきました。合わせて、気がついたら嶮暮帰島に通い初めてから20年を超えていることを改めて認識しました。しかし、意外と嶮暮帰島の変化についてまとめていなかったことと、記録もあまりしっかり取っていなかったことに気づきましたので、資料を整理しようと思ったのがきっかけでした。この22年間、嶮暮帰島に行かなかった年はありませんでしたが、いつも、調査準備に疲れ、現地では時間が足りなく、睡眠不足で、とんぼ返りで自宅にもどりトガリネズミの飼育と仕事するということが恒例になっており、とにかくトガリネズミ調査以外の調査は基本的には行って来なかったのも事実です。しったがって、トガリネズミ以外の島の記録が曖昧なところも多いことが判りました。

改めて整理していて気づきました。津波の話から始めましたので、また重要なことを書いていなかったことです。上の図が、嶮暮帰島の主な鳥類と哺乳類が一番数多く生息している場所のイメージ図です。これをもっと早くアップしておくべきでした。嶮暮帰島のイメージが全く無い状態でのこれまでの話はわかりにくかったと反省しました。

図の左側は外海で、右側は琵琶瀬湾になります。エゾヤチネズミとオオアシトガリネズミは台地の上部にも、またトウキョウトガリネズミがいる琵琶瀬湾側の海岸線にいますが、この2種が多いのは台地上の上部になります。

 

 

 

コオロギの一時保管

最近は、毎晩コオロギを与えています。まずは、餌入れと水入れを飼育ケースから取り出し、その直後にコオロギを入れます。飼育小屋の中の気温は、氷点下なのでコオロギは動きません。生きたミルワームとゆでミルワームの残量を計測してから、すべてを新しい餌と水に入れ替えて、飼育ケースに戻します。その間5分程度です。

大概、その間にコオロギは無くなっています。どこかに一時保管をするようですが、昨日あたりから場所が変わったらしく、外から見えるようになりました。その様子が、上記の写真です。

夏場などコオロギが元気に動いているときは、その場で食べることがほとんどで、どこかに隠すという行為はほとんど見られません。食い散らかしてそのままという感じです。秋には流木の隙間にミルワームを数個差し込んでいたことを見たことがありますが、すぐに食べられています。貯食(長期間食べずに置いておく)しているという確信を持てるような状況は、まだ確認できていません。観察される状況が微妙なのです。

オオアシトガリネズミは、餌入れから毎回草の中に餌を運び込む行動をとる個体もいました。それも、ゆでミルワームだけ、無くなるまで運び込みます。すべての個体がするわけではありませんし、行動に個体差が大きく、まだなんとも確信を持てません。

しかし、トウキョウトガリネズミは一時保管してから食べるということは、餌によっては行うみたいです。これからも、観察を続けます。

箱罠にかかったオオアシトガリネズミ

いつもは、墜落函という落とし罠を使っていますが、シャーマントラップという箱罠も最近は時々使用します。一般に販売されているシャーマントラップでは、トガリネズミ類の体重では軽すぎて、中に入ってもトリガーが落ちないことが多く、結果的にあまり捕獲できないのが現状です。

映像の箱罠は、北海道大学の大舘さんがロシアのトガリネズミの研究者が使用していた箱罠をコピーしたものをお借りして、調査したときの映像です。この箱罠は、体重が軽いトガリネズミでもトリガーが落ちる仕組みになっています。今日は、墜落函で捕獲されたオオアシトガリネズミと異なるオオアシトガリネズミの表情をみてください。

オオアシトガリネズミとミミズ

先日、「トウキョウトガリネズミのメニューにミミズは無い」というブログを書きましたが、オオアシトガリネズミはミミズが大好きです。とは言え、ミミズの大きさによっては、捕まえるのも大変です。ミミズは食べられないように暴れます。暴れているミミズを押さえ込むのは大変です。

この映像は、暴れているミミズを押さえ込むために草の中に引き釣りこんで、暴れないようにしてから、止めを刺すという一連の行動です。今回は飼育ケースの中で、下がプラッスチックだったため、足が滑って踏ん張りが利かなかったこともありますが、大きいミミズでしたので、少々手こずったシーンです。しかし、確実に後部を狙って、後ろ側から引き釣り込むという作戦は当初からの予定だったようで、攻め方に全く迷いがありません。小さなミミズであれば、その場で前足で押さえ込んで食べてしまうこともあります。