トウキョウトガリネズミの歯列による同定

トウキョウトガリネズミの歯列による判別について

トウキョウトガリネズミ 上顎の第1単尖歯はほぼ同大の第2・第3単尖歯より明らかに大きい。 第4単尖歯は第3単尖歯より著しく小さく、第5単尖歯は最小である。単尖歯列長は、第1・第2大臼歯を合わせた長さより短い。(青色の線)(赤線は単尖歯の大きさ比較のための補助線)

ヒメトガリネズミの写真は作成中

ヒメトガリネズミ 単尖歯列は非常に長く、第1・第2大臼歯をあわせた長さよりも著しく長い。上顎前位の切歯は比較的小さく、後尖の基部での太さは前尖での半分ほどであるが、両突の高さはほぼ等しい。上顎の単尖歯の歯冠は頬舌幅より近遠心長の方が大きく、第1単尖歯はほぼ同大の第2・第3単尖歯より明らかに大きく、第2・第3単尖歯は第5単尖歯よりやや大きい。第5単尖歯は第4単尖歯より顕著に大きい。横から見た場合、上顎単尖歯は、ほぼ同大の第1~第3単尖歯とそれより明らかに小さい第4・第5単尖歯に分けられる。

エゾトガリネズミの写真は作成中

エゾトガリネズミ(バイカルトガリネズミ) 頭骨はヒメトガリネズミより大きく、上顎前位の切歯の後尖は前尖より低い。上顎の単尖歯は横から見て、第1・第2単尖歯がほぼ等高で、ほぼ等高の第3・第4単尖歯より高く、第5単尖歯は著しく小さい。また、第1~第5単尖歯の高さが漸減する場合もある。シントウトガリネズミ(本州に生息)との違いは、上顎第4小臼歯のパラコーンの頬測基部が顕著に幅広いことである。

 

オオアシトガリネズミ 上顎の単尖歯を横から見ると、通常、第1単尖歯がほかより顕著に大きく、第3単尖歯は第2単尖歯より大きいかほぼ同大。希に第1・第2・第3単尖歯がほぼ同大の場合や第1~第3単尖歯へ大きさが漸減する場合がある。

同定基準は、日本産哺乳類頭骨図説 阿部永 2000 北海道大学図書刊行会 より引用